大建中湯
体質：冷えによる胃経不調と患部の痛み
患者は冷えが体内に侵入し、胃経（胃の経絡）に寒邪が停滞したことで、気血の流れが阻害されています。この影響が胃経の走行に関連する患部に及び、痛みを引き起こしています。さらに、胃腸の冷えや虚弱が根本にあるため、腹部の冷えや痛み、消化不良、四肢の冷感なども伴うことがあります。胃経の問題が気血の循環を悪化させ、患部への停滞を引き起こしている状態です。
おすすめ処方：大建中湯（だいけんちゅうとう）
大建中湯は、冷えや虚弱により胃腸が弱っている方に用いる処方で、身体を温め、胃腸を強化し、気血の流れを改善する作用があります。冷えによる胃経の問題を解消し、痛みを含む関連症状を改善します。
生薬とその効果
1. 人参（にんじん）
→ 補気益気（気を補い、胃腸の働きを強化）。消化吸収を助け、気血の生成を促進します。
2. 乾姜（かんきょう）
→ 温中散寒（胃腸を温め、冷えを散らす）。寒邪による胃腸の不調を改善します。
3. 蜀椒（しょくしょう）
→ 温陽散寒（冷えを取り、痛みを緩和）。特に腹部の冷えや痛みに効果があります。
4. 膠飴（こうい）
→ 緩急止痛（胃腸を保護し、痛みを緩和）。胃腸を潤し、全体のバランスを整えます。
適応症と使用方法
適応症
胃腸の冷えや虚弱を伴う頭痛
腹部の冷えや痛み、消化不良
冷えに起因する身体の不調（冷え性、倦怠感など）
服用方法
生薬を煎じて、1日2～3回に分けて温服します。
市販のエキス顆粒を使用する場合は、添付の指示に従って服用してください。
注意事項
1. **体内に熱がこもる状態（実熱）**のある方には適していません。
2. 妊娠中の方や持病のある方は、使用前に医療専門家に相談してください。
3. 症状が改善しない場合や悪化する場合は、医師の診察を受けるようにしてください。
解説
大建中湯は、胃腸の冷えや虚弱が原因で発生する頭痛や消化不良を改善する処方です。冷えによる胃経の不調を改善し、全身の気血の流れを整えることで、関連する痛みや身体の冷えを解消します。
大建中湯の適応と効果
大建中湯は、寒邪が腸に侵し、冷えにより腸の機能が低下している症状に適します。お腹が冷えて痛む、嘔吐、下痢、食欲不振などの症状が特徴です。処方は胃腸を温め、気血の流れを改善し、消化機能を回復させます。
ツボ治療の配穴
1.中脘（ちゅうかん）
場所：おへその上4寸（約指幅4本分）。
効果：胃腸を温め、消化機能を高める。胃の痛みや冷えによる不快感を感じる。
2. 気海（きかい）
場所：おへその下1.5寸（約指幅1.5本分）。
効果：体全体の気を補い、内臓を温める。腹部の冷えや下痢を改善します。
3. 足三里（あしさんり）
場所：膝の外側、脛骨の外側のくぼみ。
効果：胃腸の調子を整え、全身の気血を補う。
4. 神闕（しんけつ）
場所：おへその中心。
効果：腹部の冷えを温め、下痢や腹痛を改善します。
5. 風池（ふうち）
場所：首の後ろ、髪の生え際のくぼみ。
効果：寒邪を追い払い、気血の流れを良くする。
食べたら良い食材
身体を温め、胃腸を守る食材
ショウガ：体を温め、腸の冷えを改善。生姜湯として摂取すると効果的です。
ネギ：寒邪を考慮する効果があり、スープや煮物に適している。
山芋：消化を助け、胃腸を強化。加熱して摂取するのが良い。
鶏肉：気血を補い、腸を温める。生姜と一緒に煮込むとさらに効果的。
黒胡椒：消化を促進し、寒邪を排除。スープや料理の風味付けに適している。
避けるべき食材
冷たい飲み物や生野菜（胃腸を冷やし、症状を悪化させる可能性がある）。
脂っこい食べ物や刺激の強い食材（胃腸に負担をかける）。
おすすめの生活改善
入浴
**温浴（40～42℃）**で体を十分に温める。ショウガやヨモギを入れてお風呂に入ると効果的。
お腹を重視して温めるため、湯たんぽや温熱パッドを使うのも良いです。
運動
激しい運動は避け、ヨガや軽いストレッチで体をほぐす。特に胃の経絡を意識すると効果的。
腹式呼吸を取り入れることで、胃腸の血流を改善し、気血の循環を促進します。
日光浴
朝の穏やかな陽光を15～20分浴びることで、体を温め、気血の流れを良くします。
背中や腹部を太陽に接するようにすると効果的です。
その他の注意事項
保温：腹部や足元を冷やさないようにしっかりと防寒対策を行います。 特に寝るときはお腹を温める工夫をする。
規則正しい食事：温かいスープやお粥を中心に消化に優しい食事を摂る。
十分な休息：胃腸の回復を置くために、無理をせずにしっかりとお休みください。
大建中湯は、胃腸の冷えや寒邪症状によるを根本から改善します。ツボ治療や生活改善を取り入れることで、より効果的に体調を整えることが可能です。
