疎経活血湯

経絡不通と血虚による血行不良

経絡不通。経絡(体内のエネルギーと血液の通り道)が滞ると、全身の気血の流れが阻害され、特に痛み(瘀血痛や湿痺痛)として現れます。

血虚。血虚は血液が不足し、体内の組織や臓器に十分な栄養が見られない状態を発散します。血行が滞ることで冷え、しびれ、筋肉のこわばりや痛みが発生します。

主な症状
四肢や関節の痛み(特に冷えや湿気の影響で悪化する)
疲労感、めまい、肌の乾燥
舌の色が淡く、脈が細く弱い(血虚の特徴)
痛い部位が移動することもある

治療方針
経通経絡:経絡を通じさせ、気血の流れを改善する。
活血:血を補い、血行を促進することで、痛みを緩和する。

おすすめ漢方処方:疎経活血湯

処方構成と生薬の解説
羌活(きょうかつ)
風湿を取り除き、関節や筋肉の痛みを緩和する。
防風(ぼうふう)
風湿を包み込み、経絡の通りを良くする。
秦艽(じんぎょう)
関節の痛みを少し、動きを改善する。
川芎(せんきゅう)
血行を促進し、瘀血を改善する。
当帰(とうき)
血を補い、血行を良くして痛みを繰り返す。
芍薬(しゃくやく)
筋肉の緊張を緩和し、痛みを和らげます。
茯苓(ぶくりょう)
湿気を取り除き、体内の適度な水分を排出する。
甘草(かんぞう)
他の生薬を調和させ、炎症を緩和する。
地黄(じおう)
陰滋補血作用があり、血虚や陰虚を改善する。
蒼朮(そうじゅつ)
健脾湿潤作用があり、湿気を取り除き消化を助ける。
桃仁(とうにん)
活血化作用があり、血行を促進し瘀血を改善します。
威霊仙(いれいせん)
通絡止痛作用があり、関節や筋肉の痛みを緩和する。
牛膝(ごしつ)
活血利水作用があり、血行を促す水分代謝を改善する。
陳皮(ちんぴ)
理気健脾作用があり、消化を促進し胃腸の気滞を改善します。
防已(ぼうい)
利水消腫作用があり、むくみを軽減し痛みを緩和します。
竜胆(りゅうたん)
清熱湿作用があり、湿熱を取り除いた肝胆の熱を下げる。
白芷(びゃくし)
拡散風止痛作用があり、頭痛や鼻詰まりを緩和する。
生姜(しょうきょう)
温中止休止作用があり、胃を温める嘔吐を指します。

注意事項
冷えのある患者に適応
体が冷えている場合には効果的ですが、熱が強い場合は適応しません。
長期使用の注意
症状が改善した後は、服用を中止するか、医師に相談してください。
妊婦の使用
妊婦の使用は慎重に行い、必ず専門家の指導を受けること。

ツボ治療の配穴

三陰交(さんいんこう)
血を補い、経絡を浸透させる。
血海(けっかい)
血行を改善し、痛みを緩和する。
足三里(あしさんり)
気血を補い、全身の疲労をゼリーする。
膈兪(かくゆ)
背中に位置し、瘀血を改善し血流を促進します。
腎兪(じんゆ)
腎を強化し、全身のエネルギーを補充します。

食べたら良い食材

血を補う食材(補血)
黒豆、黒ゴマ:血液の生成を助ける。
レバー(鶏、豚):鉄分が豊富で血虚を改善します。
ほうれん草、人参:ビタミンと鉄分を補給する。

血行を促進する食材(活血)
サーモン、イワシ:血流を促進するオメガ3脂肪酸を含む。
生姜、シナモン:体を温め、血流を促進する。
ナツメ、クコの実:血を養い、全身を滋養する。

避けるべき食材
冷たい飲み物や生もの
油っこい食品やジャンクフード


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おすすめの生活改善
入浴
温かいお湯(38~40℃)に20分浸かる
疲労を、血行を促進します。
生姜やよもぎを使った足湯
特に夜の冷えを緩和し、痛みを改善します。

運動
ウォーキングや軽いジョギング
血流を良くし、全身の気血を巡ってみませんか。
ヨガや太極拳の柔軟性を高め、経絡を通じます。

日光浴
午前中の日差しを10~15分間浴びる
ビタミンDを生成し、骨や関節を強化します。

まとめ
疎経血活湯は、経絡不通と血虚による血行不良を改善し、痛みやこわばりを勝手に処方します。正しい食材や生活習慣を大切に、さらに効果的に症状を改善できます。