抑肝散
体質の解説
患者はストレスやコレステロールの影響で「気機失調」(気の流れが滞る状態)となり、体内にかなりな熱が発生しています。その結果、咳嗽(せき)などの疾病が起きています。この状態は、気滞(気の滞り)と肝熱が本体で、肺機能の低下を伴う「肝気犯肺」のパターンに該当します。
おすすめ漢方処方:抑肝散
生薬構成と解説
・柴胡(さいこ)
肝気の流れを重視、気滞を解消する。
・当帰(とうき)
血を補い、血行を改善する。 肝臓の働きをサポート。
・茯苓(ぶくりょう)
水分代謝を促進し、余裕のある湿気を除きます。 精神安定作用も。
・白朮(びゃくじゅつ)
脾胃を強化し、全身の気血の巡りを改善する。
・川芎(せんきゅう)
血行を促進し、滞りを改善する。
・釣藤鈎(ちょうとうこう)
精神を落ち着かせ、熱を鎮める。 頭痛やイライラを軽減します。
・甘草(かんぞう)
調和作用があり、他の生薬の働きを助けます。
適応症と使用方法
適応症
ストレスによる咳嗽や息苦しさ。
イライラ感や不眠を伴う。
のどの乾燥感や胸の張り感。
コレステロールや血圧が高い方にも適応。
使用方法
服用量
一日2~3回、食後に摂取します。
服用期間
症状が改善するまで継続しますが、医師や薬剤師の指導に従うこと。
注意事項
服用時の注意
冷たい食べ物や飲み物を控える。
気の流れをさらに滞らせる可能性があるため。
脂っこいものを減らす
コレステロール値を悪化させる可能性があるため。
過剰摂取は、摂取量を守り、自己判断で増やさないこと。
禁忌
妊娠中の方は使用前に医師にご相談ください。
胃腸が非常に弱い方には注意が必要です。
副作用
まれに胃腸の不快感や軟便を感じることがあります。
ツボ治療の配穴
おすすめのツボ
・太衝(たいしょう)
肝気を流し、気滞を解消する。
足の甲、第一・第二中足骨の間のくぼみにあります。
・合谷(ごうこく)
気血の巡りを促進し、熱を解消する。
手の甲、親指と人差し指の骨の間のくぼみ。
・肺兪(はいゆ)
肺の機能を高め、咳を心がけます。
背中の肩甲骨の間、第三胸椎の視野にあります。
・中府(ちゅうふ)
肺経の重要なツボで、咳嗽を鎮める。
鎖骨の下、大胸筋の外側のくぼみ。
食べたら良い食材
肝気を整え、熱を冷ます食材
野菜
ロリセ、ピーマン、キュウリ、ニンジン。
果物
梨、柿、すいか、柑橘類。
その他
大豆製品(豆腐、豆乳)、海藻類(わかめ、昆布)。
潤いを補う食材
白きくらげ、はちみつ、百合根、ナツメ。
おすすめの生活改善
入浴
38~40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かる。
お好みでラベンダーやカモミールの精油を加え、リラックス効果を高めます。
運動
ヨガや太極拳のような、ゆったりとした運動がおすすめです。
毎日20~30分程度のウォーキングも良いです。
日光浴
朝の柔らかい日差しを10~15分浴びることで、気血の流れを促進し、リズムを整える。
ストレスケア
趣味やリラクゼーションを取り入れる。
呼吸法や瞑想を習慣化して、心の安定を。
抑肝散と適切な生活改善を行うことで、ストレスや気滞による咳嗽の改善が期待できます。