六味地黄丸

患者の体質解説:腎陰虚

腎陰虚とは、腎臓の陰液(液や精、血液などの体を潤す物質)が不足している状態で、主に以下のような症状があります。陰が不足していることで、相対的に陽が過剰になります。 内熱の症状が表れることがあります。主な症状は、体重減少、ほてり、手足や顔が熱く感じる、口渇、喉の乾き、不眠、夢を多く見る、耳鳴り、めまい、腰や膝のだるさ、痛み、尿が黄色く少ない、または夜間頻尿、舌質は紅く、舌苔が少なく、脈が細い。

治療方針
滋陰:陰体を潤し、陰液を補充する
補腎:腎の機能を強化する
降火:内熱の症状を自覚

おすすめ漢方処方:六味地黄丸

処方構成と生薬の役割

熟地黄(じゅくじおう)
腎陰を補い、精血を養う主薬。

山茱萸(さんしゅゆ)
腎臓を補い、漏れを防ぐ(収斂作用)。

山薬(さんやく)
脾胃を補い、精を強化する。

茯苓(ぶくりょう)
代謝水分を促進し、体内の湿気を取り除きます。

沢瀉(たくしゃ)
腎臓の代謝水分を助け、手間なく水分を排出します。

牡丹皮(ぼたんぴ)
血熱を清し、陰虚による内熱をまたる。

注意事項
冷えが強い場合は控える
陰虚の改善に有効ですが、冷え性の患者には適さない場合があるため注意してください。
消化不良の方は注意
熟地黄が重いため、消化能力が低下している方は胃腸に負担がかかる可能性があります。

適切な運用
医師の指導のもと、症状に応じて使用量や服用期間を調整してください。

ツボ治療の配穴

腎兪(じんゆ)
腎の働きを強化し、全身の滋陰効果を助けます。

三陰交(さんいんこう)
腎臓、脾臓、肝臓の機能を調整し、滋陰と補腎を促進します。

太渓(たいけい)
腎陰を補い、ほてりや口フを改善します。

復溜(ふくりゅう)
腎陽を補助し、体液のバランスを調整します。

陰谷(いんこく)
陰を補い、熱を冷ます効果があります。

食べたら良い食材
滋陰作用のある食材
黒ごま、黒豆:腎を補い、潤いを与える
山芋:滋陰補腎に良い食材
蓮の実、百合根:心と腎を滋養し、不眠や内熱を緩和
クコの実、ナツメ:血を補い、滋陰効果を促進する
白きくらげ:体を潤し、陰を補う

補腎の食材
魚介類(特にウナギ、スズキ)
卵黄、牛乳
クルミ、アーモンド

避けるべき食材
辛いもの、カフェイン(内熱を変える)
油っぽいものや消化に悪い食べ物

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おすすめの生活改善
入浴
38~40℃の温浴を15~20分
かけて温めながら、過度に熱を加えない温度を心がけてください。
冷たいタオルで頭を冷やしながらの入浴もよい。

入浴剤
保湿効果のある生薬(当帰や百合根)を使うと効果的です。

運動
軽めの運動(ヨガ、太極拳)
陰を消費しない程度に軽く身体を動かします。

深呼吸
ストレス軽減と血流促進のため、深い腹式呼吸を行います。

日光浴
午前中穏やかな日差しが入る(15分程度)
骨を強化し、気血の巡りを改善します。

まとめ
六味地黄丸は、腎陰虚による体重減少や​​ほてり、口内炎などの症状に効果的な処方です。 滋陰と補腎を目的とした生活改善、食事療法、ツボ治療を併用することで、症状の改善が期待できます。定期的に体調をチェックし、必要に応じて処方を調整してください。