小青竜湯

患者の状態:胃気の上逆による

この症状は、胃気(胃の気の流れ)が逆流し、上部に向かうことで鼻粘膜を刺激し、鼻炎やくしゃみ、鼻詰まりなどの症状を引き起こしている状態です。この場合、胃気の調整と同時に体内の水湿(余分な水分)の停滞を改善し、肺と胃の調和を図ることが必要です。

処方として小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が有効です。この処方は、寒邪や水湿が肺や鼻に影響を及ぼし、鼻水や咳などの症状を和らげるのに適しています。

おすすめの漢方処方:小青竜湯

生薬とその役割

麻黄(まおう)
発汗作用で寒邪を排除し、気の巡りを促進。

桂枝(けいし)
温めて血行を改善し、寒さを取り除く。

細辛(さいしん)
温めて鼻粘膜の炎症を和らげる。

乾姜(かんきょう)
胃を温め、胃気の逆流を抑える。

五味子(ごみし)
肺を潤し、咳を抑える。

芍薬(しゃくやく)
筋肉の緊張を緩和し、痛みを和らげる。

半夏(はんげ)
痰を取り除き、消化を助ける。

甘草(かんぞう)
調和作用で、処方全体のバランスを整える。

注意事項
長期服用を避ける
小青竜湯は寒邪や水湿を取り除く処方であるため、長期間の服用は体を乾燥させすぎる可能性がある。
胃の弱い方に注意
胃が元々弱い方には、乾姜や麻黄が負担になる場合がある。

妊娠中の使用
必ず医師に相談すること。

ツボ治療の配穴

迎香(げいこう)(鼻の横)
鼻の通りを良くし、鼻炎を改善。

中脘(ちゅうかん)(みぞおちとおへその間)
胃気を調整し、上逆を抑える。

合谷(ごうこく)(手の甲、親指と人差し指の間)
鼻づまりを解消し、全身の気の巡りを良くする。

足三里(あしさんり)(膝下、外側)
胃腸を整え、全身の気血を補う。

食べたら良い食材

胃気を整える食材
大根:消化を助け、胃の負担を軽減。
生姜:体を温め、胃を保護。
長ネギ:発汗を促し、寒邪を排除。
れんこん:鼻粘膜の炎症を抑える。

水湿を除く食材
小豆:利尿効果で余分な水分を排出。
冬瓜:むくみを改善し、消化を助ける。


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おすすめの生活改善

入浴
温浴(38~40℃)
冷えを取り、血行を促進する。生姜湯やヨモギを入れると効果的。
蒸気浴
パチュリなどのハーブをあわせて、鼻粘膜の乾燥を防ぎ、鼻の通りを良くする。

運動
ウォーキング
30分程度の軽い運動で胃の機能を改善し、全身の気を巡らせる。

深呼吸運動
鼻呼吸を意識し、肺と胃の調和を促進。大きく息を吐き出すことが大切。

日光浴
朝10~15分程度の日光浴で、気血の循環を整える。

総括
小青竜湯は寒邪を排除し、胃気の上逆を改善するのに優れた処方です。ツボ治療や適切な食材、生活改善を組み合わせることで、効果を最大化できます。温めることと胃腸のケアを重視し、気血の流れを正常化するよう心がけましょう。