白虎湯

白虎湯(びゃっことう)

体質:胃熱による

患者は胃熱(胃にこもった熱)が過剰になり、その熱が胃経(胃の経絡)を上昇して患部に達し、気血の停滞を引き起こしたため疾患が発生しています。このような胃熱の状態は、体内の余分な熱がこもることで、口渇、顔面紅潮、口内の乾燥感、喉の渇き、便秘、イライラ感などを伴う場合があります。痛みはズキズキとした感覚で、熱感を伴うことが特徴です。

 

おすすめ処方:白虎湯(びゃっことう)

白虎湯は、胃熱や陽明経(胃を含む経絡)に蓄積した余分な熱を効果的に清熱し、体内の熱による症状を緩和する処方です。特に、胃熱や熱性頭痛に対して効果的です。

生薬とその効果

1. 石膏(せっこう)
→ 清熱瀉火(熱を取り、炎症を抑える)。特に陽明経の熱を解消し、熱による頭痛を緩和します。

2. 知母(ちも)
→ 滋陰清熱(体内の熱を抑え、潤いを与える)。乾燥感を軽減し、胃熱による喉の渇きや不快感を和らげます。

3. 粳米(こうべい)
→ 益気健脾(消化器系を補い、体力を回復)。胃腸を保護し、体内の調和を促します。

4. 甘草(かんぞう)
→ 調和諸薬(他の生薬のバランスを整える)。胃腸を保護し、全体的な効果を高めます。

 

適応症と使用方法

適応症

胃熱による頭痛
顔面紅潮、口渇、喉の渇き
便秘やイライラ感など熱の症状

服用方法

生薬を煎じて、1日2~3回に分けて温服します。
市販のエキス顆粒を使用する場合は、添付の指示に従って服用してください。

 

注意事項

1. 冷え性や胃腸虚弱の方には不向きです。
2. 長期間の服用は避け、症状が改善したら中止してください。
3. 妊娠中や持病のある方は、医師や専門家に相談のうえで使用してください。

 

解説

白虎湯は、陽明経の過剰な熱を清熱するため、胃熱が原因で発生した疾患や熱感の症状を効果的に緩和します。石膏と知母の組み合わせにより熱を取り除きながら、粳米や甘草で胃腸を保護し、全身の調和を図ります。この処方は、胃熱による疾患を持つ患者に適した選択肢です。

白虎湯の適応と効果
白虎湯は、胃熱証や体内の過剰な熱(陽熱)による症状に用いられる処方です。胃熱が胃経に入り、口臭、どの痛み、熱感、激しい汗、胃痛、便秘、さらに炎症を伴う症状が出る場合に適応します。この処方は、清熱作用が強く、熱を冷ます効果とともに、津液(体液)を保つ作用があります。

ツボ治療の配穴

1. 内庭(ないてい)
場所:足の甲、第2・第3指の間、足の指の付け根部分。
効果:胃熱を鎮め、口臭や胃の不快感を緩和する。

2. 足三里(あしさんり)
場所:膝下、脛骨の外側、指4本分下。
効果:胃経を整え、胃熱による症状を軽減します。

3. 合谷(ごうこく)
場所:手の甲、親指と人差しの間。
効果:全身の熱を鎮め、炎症を和らげます。

4. 曲池(きょくち)
場所:肘を曲げたときにできるシワの外端。
効果:体内の熱を下げ、胃の熱を失う。

5. 天枢(てんすう)
場所:おへそから指幅2本分外側。
効果:胃腸の調子を整え、便秘や胃の不快感を改善します。

食べたら良い食材

熱を冷ます食材
きゅうり:清熱効果があり、胃熱を冷ます。
スイカ:体を冷やし、津液を補充する。
茄子:体内の余裕な熱をゆっくり効果。
緑豆(リョクトウ):解毒作用があり、清熱効果が高い。
セロリ:血圧を下げ、体の熱を冷ます。
冬瓜:利尿作用があり、胃熱を失う。
麦茶:胃熱を冷まし、のぶきを癒す。
胃熱における大根おろしのポイント
胃の熱を冷ます:辛味成分(イソチオシアネート)が胃熱を緩和し、のどのフキや胃もたれ感を軽減します。
消化促進:食べ過ぎや胃熱による胃の不快感を解消。
便秘改善:胃熱が原因の便秘にも効果的。

避けるべき食材
辛いものや脂っこいもの(熱を悪化させる)。
アルコールやカフェイン(体を乾燥させる)。

おすすめの生活改善

入浴
**ぬるめの温度(37~39℃)**で短時間の入浴を行います。
入浴後に冷たい飲み物を飲むのではなく、体内の水分バランスを整える温かい白湯がおすすめです。

日光浴
激しい日差しを避け、朝や夕方の穏やかな日光浴を10~15分程度行います。
体温が上がりすぎないように注意し、こまめに水分を補給します。

運動
激しい運動は避け、ヨガやストレッチ、ウォーキングなどの軽めの運動を取り入れてください。
深呼吸を意識​​して、体内の熱をするようなリラックスした運動を心がけてリリースします。

注意事項
水分補給:こまめに水分を取り込み、体内の熱を冷やします。
睡眠環境:暑い環境を避け、通気性の良い部屋で休む。
過労を気にする:ストレスや過労は胃熱を悪化させるため、適度に休息をとる。
冷やしすぎない:胃熱を冷やします、体全体が冷えすぎないように注意してください。

白虎湯の処方と合わせてツボ治療や生活改善を実施することで、胃熱症状の緩和が期待できます。 飲食や運動に注意しつつ、全体のバランスを整えることが重要です。